人が亡くなるということは、ある意味で自然なことです。生きとし生けるすべてのものは、いつか必ず旅立たなくてはなりません。科学や技術というのは、日々とてつもない速度で発展していますが、この別離というのはどうすることもできない事実のひとつであり続けるでしょう。
そのため葬儀の際には、長らく宗教的な儀礼があることが当然でした。人が亡くなることはごく自然なこととはいえ、多くの人は亡くなったあとにどうなるのかということに疑問を抱いたり、不安を感じたりしたため、宗教的な教えを必要としました。
その結果、葬儀において宗教的な事柄というのは重要視されるようになったそうです。しかし現代においては、人が亡くなるということを様々な見地から理解できるようになっています。そのため、葬儀においても必ず宗教儀礼を必要とはしなくなってきているようです。
ただこれは、宗教の否定ではなく、日頃から信仰をしているわけではない人たちのための選択肢のひとつといえるでしょう。
葬儀は、故人の冥福を祈り結び、故人が成仏出来るように行う儀式となっています。宗教や地域によって行い方は、異なってきますが、一般的に、僧侶が読経を行って、火葬から出棺までを葬儀と言いますが、最近では、告別式も同じ日に行うことが多いことから、告別式を含んで葬儀と呼ぶことが多くなってきています。
種類としましては、密葬、社葬、合同葬、団体葬など様々なものが存在しますが、根底は基本は同じで、故人の冥福を祈ることにあります。この儀式は、故人の為だけではなく、参列者の為にも行われます。故人はもうこの世にいなくなってしまって、二度と会えることが出来なくなってしまった事実を心に受け止める為の儀式でもあります。
故人が浮かばれて、参列者が、この世に故人がいなくなったことを受け止めるという意味でも、必ず行いましょう。
もしもの際にはどういう葬儀を執り行って欲しいのか、ということを考えておくとよいでしょう。お金ばかりがかかってしまうと、その後の生活にも影響を与えることになってしまうので、十分に検討を行ったほうがよいです。
盛大に行って欲しいと考えることもあるかもしれません。呼んで欲しい人がいるかもしれません。遺族には分からないこともあるので、事前に書き残しておくとよいでしょう。今は終活ノートというものがあるので、記載をしておくことができます。
宗教や宗派にとらわれることもなく、自由な葬儀を行いたいと考えていても、それを遺族が知らなければ一般的なものになってしまいます。使って欲しい音楽なども決めておくことができます。自分のもしもの時のことなど考えることができないという人もいるかもしれませんが、考えておいたほうが後悔することもありません。